Daniel Mille
フランスのアコーディオン奏者 Daniel Mille(ダニエル・ミル)はミュゼット・アコーディオンとはまた違ったアコーディオンの楽しみを与えてくれる奏者です。
「静かな時」というアルバムの中で解説の柳沢直弥さんの書かれている文章から。「・・・余計な装飾っぽいものを削ぎ落としたサウンドに、時に絡みつき、時に滑ってゆくミルの奏でるアコーディオンの音色は、艶やかでメロディアスで、・・・・。伝統的な良きものを大切にしつつ、新しいものを作って凝り固まった古いものを砕いてくれる・・ミルのセンスの素晴らしさ同様、そういった彼を見出したピエール・バルーのセンスのよさには、またしても拍手を送りたいです。」
ミル本人の言葉から。「私はリシャール・ガリアノほどのテクニックもないし、ほとんどのアコーディオニストよりも下手なので、そのちょっとしかないテクニックを使って何かできないかと考えた結果、声を使おうと考えました。ガリアノとは全く違う表現のスタイルを考え出したいと思ったのです。」
謙遜なさっていますが、ヴォーカルの使い方は印象的だし、音の一つ一つを大切に大切に表現している感じです。私の手元にあるのは次の3枚のCDです。
♪河岸にて (PSCY-5002) POLYSTAR
♪静かな時 (OMCX-1018) SARAVAH
♪綱渡り (OMCX-1047) SARAVAH
ついでにと言っては叱られそうですが、ミルの下で学んだ佐藤芳明さんのCDも紹介します。ミルの影響を感じられる気がします。ギターの福島久雄さんとのデュオ・アルバムです。
♪coloration - Hisao Fukushima/Yoshiaki Sato (cpv0002)
そういえば、随分前のことですが、ミルさんが来日してコンサートをなさった時に聴きに行ったことを思い出しチラシを探してみたらありました。1997年10月のことでした。ゲストにパトリック・ヌュジェ、桑山哲也、佐藤芳明のお三方の名前がありますが、コンサート当日大塚雄一さんもいらしたような記憶があります。とても豪華なコンサートでした。
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コロポさん、こんばんは。
そうですね。どちらを弾きたいかと言えば、私も古臭いミュゼットやシャンソンなのですが、聴くのはいろいろと聴いてみています。聴くのも弾くのも、いろいろと試してみると自分の世界が広がるようで楽しいです。
投稿: くどう | 2006年3月 1日 (水) 22時22分
そういえば、家にも初アルバムの「河岸にて」がありました、これもご多分に漏れずいただきものですが。
CDレビューには、ガリアーノ曰く、
「懐古趣味の古くさいミュゼットが私には少々耐え難いが・・・ダニエルは勇気のあることに、まったく違ったアコーディオンを弾く」ピエール・バルー「他の者が6音符弾くところを彼は1音で弾くすべを知っている」という挑戦的な推薦の言葉で書かれています。
このCDもたしかに面白いし、「音の一つ一つを大切に大切に表現している」と思いますが、古くさいミュゼットに心、惹かれます。
投稿: コロポ | 2006年3月 1日 (水) 18時20分