パリでの思い出
「フランスの思い出」というカテゴリーがあることを忘れてしまっていたぐらい長い間、このカテゴリーに記事を書いていませんでした。
アコーディオンという楽器と出会わせてくれたパリ。親子三人で苦労しながらも楽しく過ごした三年間。乳飲み子を抱えた東洋人家族に温かく接してくれた13区の人たち。歩いていても公園のベンチに座っていても声をかけてくれる人がたくさんいて、多くの出逢いがありました。ベトナム、アルゼンチン、中国、ポルトガル、カメルーン、韓国、ポーランドなど様々な地域から来た人たちと知り合いました。個人主義で他人のことには無関心かと思っていたら、おせっかいなぐらい親切な人がたくさんいました。そしてベルリンの壁の崩壊、湾岸戦争など歴史的に大きな出来事を身近に感じながら過ごした日々。
たくさんの思い出があるパリで起きた悲しい事件に対して、きっと多くの人がそうであるように、私にも祈ることしかできません。犠牲者の方々のご冥福を、ご遺族の皆さんのお心が少しでも早く癒されることを、二度とこのようなことが起きない世界になることを。科学技術や様々な分野での研究が進んでも武力を伴う争い事がなくならないのは何故なんでしょう。争いごとの起きない世界を作るのは不可能としても、たとえば言葉や文章のやり取りでのみ意見や考えの違いを闘わせるというような仕組みはできないのだろうか、などと考えます。
今の私は自分と家族のことを考えることで精一杯で、積極的に社会の中で自分に何ができるかなどと大きなことは考えられません。それでも、せめて自分の身の回りでは争い事を極力起こさずに日々を過ごしていきたいと、そう思います。多くの人が、力で人を屈服させることは平和な世の中に繋がらないと信じることで、少しだけでも何かが変わればいいなと思います。
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